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珍念:……。
黄身:……。 珍念:コンビニの引継ぎ、どうなっちゃうのかな……。 黄身:まあ、何とかなるだろう。今は他の事考えろよ。 珍念:……。 黄身:……。 珍念:介護保険業務の引継ぎ、マジでどうなっちゃうのかな……(笑)。 黄身:自虐気味に笑うな。何とかならんモノはならん。 珍念:zilがマニュアルを残せと言っていたが……。 黄身:……。 珍念:……当の俺が理解出来ない(頭を抱える)。 黄身:ちょw 珍念:いや、パソコンの操作は問題無い。だけどな、「今月はこの人介護度が上がった」とか「この人は教養費不要」とか介護の本質的な事をズバズバ言われても困る……。 黄身:……まあ、「俺はパソコンの操作しか出来ないぜベイベー」ってどっかで宣言しておけばいいだろうさ。 珍念:俺の人生はなんか引継ぎまみれの気がする……。 黄身:人によっては、死ぬまで一度も経験しないだろうになあ。 珍念:……。 黄身:……。 珍念:シ○マの株、上がらないな……。 黄身:ネット株だと!? #
by kuda_chin
| 2006-10-27 17:26
| 東征編
最近かき揚げ天丼に凝っていた。過去形である。
スーパーで適当な天ぷらを買って来て、つゆの素と味醂、水をブレンドした珍念オリジナル天ツユで煮込んでご飯に乗せるだけ。簡単で美味しい。 余った天ぷらは、冷凍庫にでも入れておけば数日間程度は余裕で保つ訳で。 ある日俺は、残ったイカ天とかき揚げ天を冷凍庫に入れた。 数日後、夜勤から帰った俺は残っていたイカ天およびかき揚げ天で天丼を作ろうと冷凍庫を開けてみた訳だが。 無い。 「うむ?」 もしかしておかんに食われたか? もうご飯、盛っちゃったぞ? やや焦りながらあちこち調べてみると、かき揚げと……エビ天が出てきた。 イカからエビ。天丼の世界に於いてはグレードアップではある。 これはアレか。イカ天は食べちゃったからエビ天を買って来たよ、と言うおかんの無言のメッセージだろうか。と言うかきっとそうだな。っつうか、ご飯、もう盛っちゃってるし。 そう考えて特に疑問に思わずオリジナル天ツユの中に投下。調理開始。 調理中に、何気なく冷蔵庫の方を開けた時に最初の伏線があった。 「うむ?」 記憶にあるイカ天とかき揚げ天が出てきたのだ。 おかんが冷凍庫から冷蔵庫に移したのか? いや、俺じゃ無きゃおかんしかおらんわな。 食べた訳じゃ無いのか。 じゃ、代わりに買って来た訳じゃ無いの? このエビ天。 この時点で、微かにイヤな予感はしたんだ。ホントだ。 しかし夜勤明けでとにかく俺は疲れていた。 天ぷらが増えたと思えばいいや、と見つけたイカ天かき揚げ天をオリツユの中に投下。 鍋の中で煮え立つエビ天イカ天そしてかき揚げ天×2。 頃合を見計らってそれぞれご飯の上に並べ、エビイカかき揚げ天丼が完成した。 イカ天から食べ始める。 うむ。 この料理はツユの素とミリン、水の絶妙なブレンド加減で決まると言っても過言では無い。 その配合も良い感じに感覚を憶えてしまっている。美味い。 一枚目のかき揚げも特に問題無く、二枚目のかき揚げにとりかかる。 奇妙な違和感を感じた。 「うむ?」 俺はちなみに味覚にあんまし自身は無い。 ご幼少の砌からロクなもんを食べてないし、缶コーヒーもどれを買っても同じ味にしか感じない。だから警戒心が薄かったとも言える。 何か変じゃね? と言う疑問符だけが浮かんで、消えた。 エビ天を半分齧る。 「む? む?」 おかしくね? そう感じながら、飲み込んでしまう辺りが珍念の真骨頂なのかもしれない。 エビ半分が喉下を滑り落ちていく辺りで、漸くにして気付いた。 このエビとかき揚げは、人が食べちゃいけないものだと。 起きてきたおかんに問う。 「冷凍庫にエビ天が入ってたんだが」 「エビ?」 駄目だ。記憶に無ぇって顔してやがる。 胃が静かにしくしく痛み始めていた。 「俺が買ったイカ天の代わりに、入っていたんだがな。冷凍庫に」 「それ、最近買ったものじゃ無いんじゃない?」 不審そうに聞き返してくるおかん。 ンな事ぁ既に解ってるんだよ。 だから、賞味期限の切れたモノを冷凍庫に入れるのは止めてくれよ。本当に。 冷凍されたモノの鮮度は腐敗の進行が遅くなるだけであって、決して基の状態に戻ったりはしないんだってば。 既に腐った魚を冷凍して、しばらく経って解凍すりゃ問題無し、とは流石のアンタも考えちゃいないだろ? その辺の判断力を、頼むから他の食品にも応用してくれ。 『今回の事はお前にも非がある。おかんを恨むな』 なんか、天の声聞こえてきた。俺もう駄目かもしれない。 天の声だと思ったが、それは内から来る己の理性の声の様だった。 黄身:理性である。 珍念:やかましいわ。 黄身:とにかく、落ち着け。 珍念:買って来たエビ天を一ヶ月(推定)も冷凍庫に放置するおかん。 その状態で、俺が買って来て冷凍庫に保管したイカ天を冷蔵庫に移すおかん(理由不明)。 そんな状態で冷凍庫から出てきたエビ天を、「ああイカ天は食べちゃったから代わりを買って来たって事ね」と納得した俺。 帰って来たときゃ早朝だし、確認する事も出来ね。 ご飯はもう盛っちゃってる。 この状態じゃあ誰だって騙されるだろうに! 黄身:ビュワーで良く確認して食べなかったお前が悪い。 珍念:なんで夜勤明けにメタルギア3やらなあかんねん! 黄身:とにかくおかんに当たるな。これは客観的に顧みて、事故だ。 珍念:うっせぇな。解ってるよ。 黄身:エビに中ってもおかんに当たるな。 珍念:うるせぇよ。 仕事に出ても腹部の違和感は収まらなかった。 シクシクした痛みは胃の辺りから小腸の方に進んでいて、もしかして腐敗エビは順調に俺の体内に取り込まれていっている訳ですか? ヤバイ。 緊急的にソルマックを購入して飲む。 なんとなく、少し収まった気もする。 でも、ラベルに食中毒への効能は記されていない事を確認するとまた痛みがぶり返して来た。 マイナスプラーボ効果である。 解らないヒトはググれ。 やばい。ホントに駄目かもしれん。 黄身:ところでカレーには殺菌作用があるとモノの本に書いてあったぞ。 理性の声に従うままに、帰宅時にカレーを購入してがつがつ食った。 カレーのラベルに食中毒への効能云々が書いてない事は当たり前の話で、だから俺の思い込みを邪魔する要素は何一つ存在し得ず、従って腹部の痛みは何となく治まったような気がしないでもなかった。 ……やれやれ、勘弁して欲しいな、小さい子か老人だったら死んじまうかもしれないぜ? と想いながら台所の方を見ると。 昼食用の俺への差し入れだろうか? 惣菜の、天ぷら盛り合わせが流し台の上に転座しているのであった。 黄身:これは客観的に顧みて、殴っていいと思うぞ。 珍念:俺もう寝るよ。 おかんは殴らなかったが、天ぷら盛り合わせも食べなかった。 #
by kuda_chin
| 2006-10-22 16:59
| 東征編
その内部に残った者は、竹を編む班と黒い厚紙を小さく千切る班とに別れた。
竹を編む班はひたすら竹を編み、厚紙を千切る班はただひたすら紙を千切るのだ。 外の様子を見に行った者たちも居た様だが、彼らが何を見、或いは何をしたのかについては俺は良く知らない。 俺は竹を編む班に所属していたからだ。 竹を編む事と厚紙を千切る事はどうやらとてつもなく必要な事で、それはどうやら俺達の現状維持と言うか、保全に関わる事の様だった。 うむ。とてつもなく必要だな、そりゃ。 現状維持と言っても俺達は竹を編もうが何をしようが腹は減るし歳はとるしで、いったいぜんたい俺達の何を現状維持していたのか。今となっては解らない。 「こんな事して何になるのかねぇ」 俺の班の誰かが言う。 「そんな事言うなって」 少し時が流れる。 「そろそろお終いなんじゃないかな」 誰かがまた不吉な事を言う。 「そうかもしれんなあ」 呑気に答えたのは、あるいは俺か? 少し時が流れる。 「だんだん人が減って来たなあ」 少し時が流れる。 外の様子を見に行った奴等が居るらしい事は知っているし、奴等も「ここ」をベースキャンプ的に利用しているらしい事まで解っているのに、外の様子ってぇのが今いちはっきり解らない。 外部の奴らと、内部の俺達の間に意思の疎通と言うか、情報のやり取りは余り無いようだった。 まあ、情報のやりとりと言ってもなあ。 こちらからは、 「今日も竹を編んで紙を千切った。おしまい。うふふ」 ぐらいしか報告する事無いもんなあ。 「うはははは」 俺の班の誰かが笑った。 「いや、班つうかさ。もう俺らしか居ねぇって」 「うわホントだ。うはははは」 言われて気付いた誰かが、或いは俺が愉快に笑う。 この呑気さと言うか大ざっぱさ加減から省みて、俺であった確率は高い。 「いいじゃねぇか、まあ」 アリだろ、それも。 いや、何が何やらさっぱり解らないのだが。 それでも(そんな結末でも?)良いかと言う気分だった。 少し時が流れる? あるいは、巻き戻る? 「竹を編むか厚紙を千切るんだと」 「でも、厚紙を千切る奴らがいないな?」 「そいつら全員欠席したんだと」 ―――――――――――――――――――――――――――――― さて。 目が覚めた俺はちょっぴり悩んだ。 なんだ、今日の夢わ。 珍念ですコンニチワ。 えー。元気にやってます。 #
by kuda_chin
| 2006-10-07 06:53
| 東征編
この最果ての地にはパソコンに詳しい人も少なく、どういう経緯か給与計算・保険請求業務の後釜に珍念が指名されている面白い状況になっている。 現担当者の方が11月を目処に伊豆を離れる事になるとの事で、後任者を探していたそうなのだが、そこで珍念が情報処理業に携わっていた事を思い出されたらしいのだ。 情報処理ったって、大した事をやっていた訳ではないのだがなあ。 新潟に行った時、自己紹介をする度に、 「ああ、あの○○銀行のシステムを破壊したって人ですよね?」 と返されて閉口したものである。 我が友人である所のジョーダイが事前に巧みな情報操作を行っていた結果であり、その辺いつか報復してやらねばならぬ訳だが、実際問題、システム破壊に至れる程重要な局面にいた訳では無い。 基本的には、5年間下っ端システム管理者としてエクセルやらを弄くっていただけである。 そんな人間でも西伊豆では希少な人間であるらしい。 コンビニの夜勤業務は実際問題結構な重労働であり(この辺、店舗によってピンキリであろうが)、百万貯金計画も前述マイホーム問題で頓挫した事も含め、これ以上仕事なんざしたくない状況だった訳だが。 だいたい。 二足の草鞋を履く、って言葉があるが。 二つ以上の仕事を同時に、同じ位の情熱とひたむきさを込めてこなして行く……なんて事は余程の人間じゃないと無理だと思うんだがなぁ。 まあ、頼まれたらイヤと言えないアホなアホな性分が、また災いしたという事だろうか。 誰かに頭を下げられて始めた仕事は、いつもロクな結果にならないと、解っていたはずなのになあ。 沼津の最期の一年間を思い出す。 珍念自身にとっても、他の周囲の人々にとっても、ロクな結果にならなかった晩年。 しかしまあ、どこかの親父の如く途中放棄しなかった事だけは自画自賛しても良いかもしれないか。 「君の症状だと、一月の療養が必要だと思う」 との主治医の判断を二週間に値切り、その後の一月を全力で引き継ぎに回した。 それだけは、ほんとうの事だから。 例え11月に全ての介護サービス的業務を引き継いでも、その後一月やそこらで珍念もまた西伊豆を離れてしまう訳で。 最初から計画が頓挫しているような気がしないでもない中、これもいつか何かの役に立つ事もあろうと、月に三~四回、引継ぎ業務を続けている。 仕事場はかつて10年前、zilが幽霊を見たと主張する部屋である。 やれやれ。 #
by kuda_chin
| 2006-09-14 13:34
| 東征編
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